日本の音楽SNSについて思うこと(2)

前回の続きです。
一応元ネタになったまとめリンクはこちら。
【日本で盛り上がる音楽SNSを考えてみる】
アーティスト支援サービス「フリクル」法人営業担当の 金野 和磨氏にコメントをいただいてまとめ直しました。
最後のコメントが注目に値すると思うので転載します。

『メジャーレーベルの音楽を使ってフリーミアムモデルのサービスをやれば、100万人単位、場合によっては1000万人単位でユーザーを集められる。だがメジャーレーベルと交渉を失敗すれば、楽曲使用料に耐えられず事業が消滅してしまう。これが、iMeemとLalaの失敗が語る教訓である。』

これは日本の音楽SNSにとって2つのことを示唆しています。
まず1つに、欧米では音楽SNSが1000万人単位のユーザーを持ちうること。言い換えれば音楽にそれだけの需要があるということです。
事実、「音楽系のITベンチャーを志すことがシリコンバレーの若手プログラマの通過儀礼のようになっている」といいます。
一方で、日本で音楽SNSがビジネスチャンスであると考える人は稀でしょう。少なくとも1000万人単位のユーザーを集められると考える人はおそらく1人もいないと思います(もちろん人口や言語の違いもありますが)。

2つめは、メジャーレーベルの音楽を使うことを当然と考えていることです。これも日本では現状、考えられません。保守に保守を重ねたような日本の業界が相手では、交渉失敗どころかまず同じテーブルにつくことさえ至難の業でしょう。
やがて外圧に耐えかねてspotifyへの楽曲提供が始まるかもしれませんが、同じようなサービスを日本で志しても相手にされないと思います。それを実証するかのように、日本でこれまで生まれた音楽SNSはみな、アマチュア/インディミュージシャンを対象に作られています。
これは見方を変えれば、「音楽を発信する側にとっての需要はある」と判断されているのかもしれません。

上記2つからさらに1つの重要な、そして非常に残念な仮説が導かれます。
「日本において音楽は、供給が需要をはるかに上回っている」ということです。
実はそれについて、裏付けとなる個人的な経験があります。
僕はアメリカ人とオーストラリア人を交えてバンドをやっているのですが、彼らが日本に来て最初期の印象として
「こんなにたくさんの若者が楽器を背負って歩いてる国は世界のどこにもない、きっと日本人は音楽が大好きなんだ」と思ったそうです。
もちろんその後、実情を知って幻滅したそうですが。
つまり日本では、音楽好きはすぐプレイヤー/クリエイター側に回ることが多く、純粋にユーザーにとどまるケースは欧米に比べ極めて少ないということなのでしょう。

日本の現状がそうである以上、日本での音楽SNSが発信側をターゲットとして作られることは確かに理に叶っています。
しかしそのサービス運営者も当然気づいているでしょうが、結局リスナーが増えないことには発信側にとっても役に立たないのです。
なので「リスナーにとってリッチな、友人知人を巻き込みたくなるような、あるいは他の見知らぬユーザーと繋がりたくなるようなSNS体験」を持つサービスが待ち望まれていると僕は考えています。

次回は、そもそも僕がなぜ、リッチな音楽SNSが日本に必要だと考えたのか? について書こうと思います。

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