初心者向けバンド講座(改訂版)-バンド結成編

(この記事は以前に togetterまとめで作成した【超初心者向けバンド講座】をブログに起こしたものです)

なぜバンドをやりたいと思ったのでしょうか?

単純に好きになったバンドに憧れ、自分もやりたくなったという人がおそらく大半でしょう。
最近の若い人だとマンガやアニメの影響がわりと大きいのかもしれません。
理由はどうであれ、始めるのは簡単です。しかし続けるのは簡単ではありません。

そもそもの前提として、バンドで音楽やって食っていこうというのは2013年現在あまり現実的ではないので考え直したほうがいいでしょう。ボカロPやったほうがぜんぜん売れます。それですら食えるほどまで売れるのは簡単ではないし、特に若い人たちはそのぐらい承知のことと思います。

なのでバンドをやりたい人は、まず自分のやりたい音楽に「バンド編成が本当に必要か」を考えてください。ソロでもできる、打ち込みでもできる、というのであれば、バンドならではの楽しさより面倒なことのほうがおそらく多いのでやらないほうがいいかもしれません。音楽で食いたいというなら尚更です。
それでも音楽をやっていく上で、バンドという形態を一度通過してみたいというならそれは構わないし、また将来はスタジオワークを仕事にしたいという人が「バンド感」について学ぶためにバンドをやるのもよいでしょう。

いずれにしても、自分がなぜバンドをやりたいのかは一度しっかり考えたほうがよいと思います。
「バンドなんて初期衝動でやるもんだろ」と言う人もいるでしょうが、「自分は衝動によってバンドをやりたいのだ」と自覚していれば当面はそれで構わないと思います。いずれそれだけでは済まなくなるのですが、考えすぎて行動を起こせなくなるのもどうかと思いますので。

なぜこんなことをくどくど言うのかというと、ある程度の年月ひとつのバンドでメンバーが過ごしていると、「メンバーそれぞれの動機による温度差」がバンドの活動に悪影響を及ぼす時期が、必ず絶対に間違いなく一度は訪れるからです。
そのときに話し合いなど(別にケンカでもいいですが)でメンバー全員が同じ方向を向いて頑張れるならよいのですが、そうでないならほとんどの場合、だらだら続けて若いうちの貴重な時間をほぼ無駄に過ごすこととなります。さっくり解散して次に行ったほうがマシです。

バンドを組むより先に解散の話が出てしまいましたが、どのような形(解散であったり死であったり)であれバンドが終わるとき、自分の音楽活動が終わるときというのは必ず訪れるので、後悔しないためには「バンドを通じていずれ自分はどうなりたいのか」を常に意識しましょう。
もちろんプロ志向でやるのか趣味/遊びでやるのかを初心者のうちに決める必要などありません。ただ楽しむためにやっているうちに、段々と欲が出て上を目指し始めるのが普通です。しかし「何をもってプロとするか」を考えるのは無駄ではないと思います。
メジャー契約すればプロなのか?
大型フェスに出ればプロなのか?
ギャラが貰えるようになればプロなのか?
歌や演奏が上手ければプロなのか?
音作りにこだわるのがプロなのか?

分かりやすい資格のある世界ではないので、明快な答えもありません。実際に「いわゆる」プロとして活躍してる人たちに訊ねても、しばしば答えが食い違うのではないでしょうか。
そういう時代に自分はあえてバンドを選ぶのだ、ということを覚えておいてください。それは言い換えると、今の時代でもなおバンドという形態でしかできないことが好きで、それを楽しもうとしているということです。夢のない話をしていますが、夢など見なくても音楽を、バンドは楽しむことは出来ます。
取り巻く状況が厳しいからこそ、なおさらまずは楽しんでください。いずれ金銭の管理や営業活動など生臭い話も出てきますが、そういうものも含め、「バンドをやるということにまつわる全て」を出来る限り楽しむよう心がけてください。
前置きは以上です。

では実際にバンドを結成する流れを考えてみます。一番簡単なのは友達を誘うことです。大学生なら軽音サークルで探すのが手っ取り早いのかもしれません。
なおこれまでの経験上、大学生でバンドマンという人は、既にバンドを結成していたとしても、軽音サークルに出入りしたほうがよいと思います。「そんな馴れ合い集団と俺は違うぜ!」とカッコつける人も多いですが、バンドマンの友人が多いことは後々の活動しやすさに関わってくるし、何より一番の利点は「ドラマーの知人が増えること」です。
何年もバンド活動してる人にとっては周知の事実ですが、日本では住宅事情のせいかとにかくドラマーの絶対数が少なく、探すのが非常に大変です。なので別ジャンルの人であっても、ドラマーと近づく機会があれば連絡先ぐらいは押さえておきましょう。ドラマー同士の横の繋がりから好みのドラマーに出会うケースもあります。
いきなり脱線しましたが、ドラマーの知人を多く作っておくことは、先々まで音楽を続けたい人にとっては本当に大事なので覚えておいてください。練習スタジオなどにあるメンバー募集の張り紙、あれらを見てもバンドマンたちにとっていかにドラマーの需要が高いか分かると思います。

メンバー募集の張り紙が出てきましたが、バンドを組む上で足りないパートが出てしまうことは多々あります。知人のツテを頼っても見つからなかった場合、それらいわゆる「メンボ」を使うことになります。近年は張り紙よりメンボサイトを頼るケースが多いかもしれません。
しかし自分たちがメンバーを募集してる場合、サイトだけでなくスタジオや楽器屋への張り紙も実施しましょう。理由は、メンボサイトを見るのは積極的にバンドやメンバーを探してる人「だけ」ですが、張り紙は手持ちぶさたのバンドマンが数多く、なんとなく見てくれるからです。
そのなんとなく見てくれた人のなかに、あなたの張ったメンボがどストライクで、それまでのバンドを辞めて加入を考えてくれる人がいる可能性もあります。なので足を使った営業をサボらないようにしてください。なおメンボサイトの存在を知らない人がもしいれば、「バンドメンバー 募集」とかでググればたくさん出てきます。

さてメンボを作って足りないパートを探す、あるいは加入希望する際の注意点ですが、まず完成させる前に必ず文章を推敲してください。何を言っているのかが分からない、どんなバンドを目指すのかが見えてこないメンボでは、どれほどセンスの良い音楽をやろうとしていても人は集まりません。
これは具体例をここで出すより、実際にメンボサイトを巡っていろいろ見るのがよいでしょう。ジャンルや好きなバンドのことは置いておいて、紹介文だけを読んで好感を持ったもの、分かりやすかったものを幾つかピックアップし、或いはコピペして参考にしましょう。

既に活動し音源もあるバンドなら試聴サイトやYouTubeのURLを貼ってしまえばだいぶ話は早いのですが、仮にそうであったとしても、そのURLに導くためにはまず文章でこちらの意向を伝えなくてはならないのですから、文章力がないというのは言い訳になりません。また別の機会に改めて述べますが、ボーカル物の音楽をやるのであれば歌詞を書く上でもやはり文章力は重要です。他人を参考にしようにもやり方が分からないというなら、国語の勉強をしてください。
とはいえ以上は最低条件であって、最終的に誰かの加入や受け入れられる決め手は、もちろん音楽性の問題になります。そこで好きなジャンルやバンド名を書く際の注意点を挙げます。

1・あまりたくさん羅列しないようにしましょう。
2・やりたい音楽に直接繋がらないバンド名は書かないようにしましょう。

1の理由は、単純に読みづらいことが一つ、もう一つは例が多いほどやりたい(とメンボ上で思わせる)音楽の焦点が曖昧になることです。できれば3~5個程度に留めましょう。多様な音楽の要素を取り入れたい、という人もいるでしょうが、初心者にはオススメしません。理由は別の機会に述べます。
2ですが、これは主に自衛のためです。メンボを見る人には当然ながら既にバンド経験の長い人も多くいます。そのほとんどは初心者のバンドに入ろうとは考えませんが、中には「経験の浅いバンドに入って自分の思い通りにしてやろう」と考える面倒な人もいます。
この場合、相手のほうが多くの経験を積んでいるぶん言うことに説得力もあり、また実際勉強になることも多いはずです。ここでその相手の目指す音楽が一緒なら大きな助けになりますが、逆にやりたい音楽と繋がりの薄いバンドの影響を強く出されると、一緒にやるのが楽しくなくなります。
前置きに挙げた理由で楽しくないバンドをやる必要などないので、ここはしっかり自衛しましょう。また加入前の段階で相手に会う際、人柄にそういう気配を感じたらきちんと断りましょう。万が一、相手が上手で面倒な人を迎え入れてしまった場合は、それに気づいた段階で遠慮なくクビにしましょう。

繰り返しになってしまいますが、やりたい音楽をやっていても、バンド活動を続けると苦しいこと、面倒なことがたくさん出てきます。なので「バンドを存続させるためにやりたくない音楽をやる」なんて愚の骨頂です。そのバンドが自分たちにとって楽しいものであるということを最優先にしてください。
なお初心者による「全パート募集」というのは需要がほぼゼロなので、「自分のバンド」を組むためにメンボを作るのは考え直したほうがよいでしょう。どれほど素晴らしい音楽が頭の中に眠っていても一緒にやってくれる人がいなければ意味がないので、まずはどうにか趣味の近いバンドを探して自分から加入するか、打ち込みなり弾き語りなりで自分の音楽を形にする経験を積んでください。

自分がどんなパートを選ぶかという過程を飛ばしてメンバー募集の段階にきてますが、そんなことは好きにすればよいと思います。アスリートじゃないのだから、やりたいパートを選び、無理だと思ったときに替えればいいのです。
しかしボーカルは例外です。例えば声量が小さいのに爆音バンドでボーカルやりたがるとか、あまりに音痴というなら考え直したほうがよいでしょう。それこそ修正するのにアスリートみたいな努力が必要になるので、そこまで含めてボーカル志望の人は真剣に向き不向きを考えてください。

なお既に述べた理由により、これからバンドをやってみたいけどパート選びを迷ってる人、または他のパートをやっているけどあまりしっくりきていない人は、ドラムを選ぶことをオススメします。上手くなれば加入するバンドなんて選びたい放題だし、ギャラを貰ってサポートをやる上でも他のパートよりはだいぶハードルが低いです。
「目立ちたいからバンドやろうと思ってるのにドラムなんて」と思ってる人は、なおさらドラムを選んでください。映像では撮影環境などのせいで分かりにくいですが、実はライブではボーカルの次にドラムが目立ちます。嘘だと思ったら手近なライブハウスにでも行って目の前で生演奏を見てきてください。
それももちろん実力次第ではあるし、またさすがに10人編成とかの大所帯だと目立ちにくいですが、2~3人編成だとギターボーカルより目立ったりします。とりわけドラムボーカルなんて他のメンバーがどうでもよくなるぐらい目立つので、ボーカル志望の人にも一考の価値はあると思います。

さてメンバー集めの話に戻って、メンボを見て連絡を取り合い、実際に会うところまできたとします。このときはできるだけ、既に集まったメンバー全員で会いましょう。そして可能な限り音楽以外の話をしましょう。楽しくバンドをやる上で、音楽を介さずとも仲良くできるかどうかはとても重要です。
バンドを続けていく限り、音楽を鳴らさずともメンバーと共にいる時間は増えていきます。いくら腕が良くとも、またやりたい音楽を共有していようとも、人間的に気にくわない相手と多くの時間を過ごすのは、当たり前ですが苦痛になります。
反論もあると思います。「音楽で、とりわけバンドで食っていくのが極めて難しい状況なのだから、なおさら優れたメンバーをシビアに集めて人間的な不満には目をつぶるべきだ」と。それはそれで正論ですが、嫌いな人間と共同作業をするのはかなりのストレスが伴います。

仮に既に売れたバンドで、やっていくうちに仲が悪くなったというなら、キャリアのために我慢するのも分かります。しかし売れるかどうかも、いつまで続けるかも分からない初心者のバンドでそのような我慢を強いるのは僕には賛成できません。
また音楽的にも、過剰なストレスを抱え込めば創造性が落ちて良い音楽を作れなくなるのが普通です。ただそのストレスをこそ活力源にできる人も稀にいるので、自分がそういうタイプだと思うならそれでもよいでしょう。初心者にはまずバンドの楽しさを知って欲しいのでオススメしませんが。
例外としては、いま組もうとしてるバンドを、自分のミュージシャンとしてのステップアップとして「のみ」捉えている場合です。嫌いな人間であろうと単純に上手い人と一緒にプレイしたほうが上達は早いので、それはそれでアリでしょう。
僕としてはただ、そういう人が音楽を嫌いにならないことを祈るのみです。

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